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遺伝:トマトのゲノム塩基配列から得られる多肉果の進化の手がかり

Nature 485, 7400 doi: 10.1038/nature11119

トマト(Solanum lycopersicum)は重要な作物であり、果実の発生のモデル系でもある。ナス属(Solanum)は被子植物最大の属の1つで、さまざまな場所に生息する一年生植物や多年生植物が含まれる。今回我々は、トマトの栽培種の高精度ゲノム塩基配列とそれに最も近い野生種Solanum pimpinellifoliumのゲノム概要配列を明らかにし、両者を比較し、さらにジャガイモ(Solanum tuberosum)のゲノムとの比較を行った。2種のトマトゲノムどうしでは、ヌクレオチドの相違はわずか0.6%であり、最近の交雑によりゲノムが混合した痕跡が見られたが、ジャガイモとは8%以上の相違が見られ、また大規模な逆位が9回、小規模な逆位が数回起こっていた。シロイヌナズナ(Arabidopsis)とは対照的に、トマトとジャガイモの低分子RNAはダイズと同様に、大部分が染色体中の遺伝子の多い領域(遺伝子のプロモーターを含む)に存在する。ナス属の系統は、2回の連続したゲノム三倍化を経験している。1回は古代に起こり、バラ類と共通しており、もう1回はそれ以降に起こっている。これらの三倍化が、色や果肉質といった果実の特徴を支配する遺伝子の新機能獲得が起こるための基盤となった。

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