Volume 485 Number 7396

Editorials

変異インフルエンザウイルス論文の公表問題は、多くの教訓を残した。

p.5

doi: 10.1038/485005a

エジプトのアレキサンドリア図書館館長に、ムバラク大統領との関係を理由に辞任を求めるのは早計だ。

p.6

doi: 10.1038/485006a

アメリカ大陸への人類の到達時期をめぐる感情的な論争は、科学のあるべき姿ではない。

p.6

doi: 10.1038/485006b

News

変異インフルエンザウイルス論文によって、感染力の強いウイルスが生じる仕組みが明らかに。

p.13

doi: 10.1038/485013a

不正行為による解雇をめぐる訴訟が、オーストリアの科学公正局にとっての試金石に。

p.15

doi: 10.1038/485015a

米国のニュートリノ実験(LBNE)が、財政引き締めの影響で、計画を変更へ。

p.16

doi: 10.1038/485016a

米国の国際武器取引規制(ITAR)が、再検討される可能性が。

p.17

doi: 10.1038/485017a

ブラジルの森林保護法緩和の動きに、環境活動家から懸念が。

p.19

doi: 10.1038/485019a

乳幼児死亡の最大の原因となる早産が世界的に増加しているが、途上国では簡単に減らせる可能性も。

p.20

doi: 10.1038/485020a

News Features

人類の定住

p.23

人類が地球全体に広がるまでの物語は、以前の見方よりはるかに複雑なことが明らかになってきている。

doi: 10.1038/485023a

東への旅

p.24

人類が10万年以上前にアフリカを出て、5万年前までにはアジアに広がっていたことは確かだが、それ以外の点については議論が分かれている。

doi: 10.1038/485024a

歴史とデート

p.27

放射性炭素年代測定法の改良で、ヨーロッパの先史時代が大幅に書き替えられた。

doi: 10.1038/485027a

アメリカ到達

p.30

北極圏からアメリカへと初めて渡ったのはクローヴィス人だと長い間信じられてきたが、それよりも早くに到達した人類がいたことが明らかになった。

doi: 10.1038/485030a

News & Views

太陽系:太古の「爆撃」に注目する

p.44

太陽系形成のほぼ4億5千万年後に始まった地球と月への小惑星衝突に関する最新の研究からは、この事象が続いた期間、衝突の回数や規模についての手がかりが得られている。

doi: 10.1038/nature11190

創薬:時計に効く薬

Drug discovery: Time in a bottle p.45

体内時計は動物の行動や生理を地球の24時間周期の自転に同期させている。この時計の「ギア」を標的とする薬剤は、肥満などの代謝障害の治療に有望であることがわかった。

doi: 10.1038/485045a

固体物理学:電子は分裂するらしい

p.46

一次元構造体内に閉じ込められて動いている相互作用する電子は、ラッシュアワーの渋滞に巻き込まれた車のようにただぎっしり詰め込まれている訳ではない。非弾性X線散乱によって、電子が分裂して複数の別個の存在物になるように振る舞うことが示された。

doi: 10.1038/nature11038

トランスレーショナル医療:弱くなった骨を二重に保護する

p.47

タンパク質のSema3Aは、マウスで骨の分解を制限すると同時に骨の形成も促進しており、骨粗鬆症などの疾患に対する治療薬として使える可能性がある。

doi: 10.1038/485047a

無機化学:2本の腕を持つシリコン

p.49

遷移金属を含む化合物は、小型分子を活性化して化学反応を起こさせるのによく使われている。シリコンを含む変わった化合物が発見されたことで、金属を含まない活性化剤の出現が期待されている。

doi: 10.1038/485049a

がん:mTOR阻害のmRNA翻訳への影響

p.50

mTOR阻害後に起こるメッセンジャーRNA翻訳の性質がゲノム全体にわたって調べられた。この結果は、mTORというシグナル伝達タンパク質のがんにおける調節の役割についての考え方を変える可能性がある。

doi: 10.1038/485050a

地球科学:「下部マントルにはケイ素がいっぱい」という可能性

p.51

地球の下部マントルの組成については、互いに相反する、複数の説が出されている。ブリルアン分光法によって得られた最新のデータでは、地球内部のこの領域に含まれるケイ素の量は、上部マントルよりも多い可能性が示唆されている。

doi: 10.1038/485051a

惑星科学:解明が始まった水星の謎

p.52

惑星の1つである水星の起源はずっと謎とされてきた。NASAのMESSENGER宇宙探査機から得られたデータと地上での観測データを組み合わせて、水星の構造と進化に関する情報が得られつつある。

doi: 10.1038/485052a

Articles

医学:mTOR シグナル伝達の翻訳特性ががんの発生と転移を誘導する

The translational landscape of mTOR signalling steers cancer initiation and metastasis p.55

doi: 10.1038/nature10912

代謝:合成REV-ERBアゴニストによる概日行動と代謝の調節

Regulation of circadian behavior and metabolism by synthetic REV-ERB agonists p.62

doi: 10.1038/nature11030

Letters

宇宙:衝突スフェリュールは地球の古代の重爆撃の記録である

Impact spherules as a record of an ancient heavy bombardment of Earth p.75

doi: 10.1038/nature10982

宇宙:小惑星帯外延部の不安定化により生じた始生代の重爆撃

An Archaean heavy bombardment from a destabilized extension of the asteroid belt p.78

doi: 10.1038/nature10967

物性:準一次元モット絶縁体Sr2CuO3におけるスピン–軌道分離

Spin-orbital separation in the quasi-one-dimensional Mott insulator Sr2CuO3 p.82

doi: 10.1038/nature10974

化学:ナノ液滴界面での液晶に媒介される自己集合

Liquid-crystal-mediated self-assembly at nanodroplet interfaces p.86

doi: 10.1038/nature11084

地球:高圧高温音速データから推測されるペロブスカイト的下部マントル

A perovskitic lower mantle inferred from high-pressure, high-temperature sound velocity data p.90

doi: 10.1038/nature11004

進化:非ランダムな変異率の証拠は進化的なリスク管理戦略を示唆する

Evidence of non-random mutation rates suggests an evolutionary risk management strategy p.95

doi: 10.1038/nature10995

再生医学:視細胞移植後の視力回復

Restoration of vision after transplantation of photoreceptors p.99

doi: 10.1038/nature10997

細胞:RNA干渉スクリーニングにより明らかになった、幹細胞の自己複製と長期間にわたる再生に関与する新規分子

An RNA interference screen uncovers a new molecule in stem cell self-renewal and long-term regeneration p.104

doi: 10.1038/nature10940

細胞:mTORC1を介したmRNA翻訳調節の統一的モデル

A unifying model for mTORC1-mediated regulation of mRNA translation p.109

doi: 10.1038/nature11083

植物免疫:黒腐病菌Xanthomonasのウリジン5&prime–一リン酸トランスフェラーゼは植物の免疫キナーゼを抑制する

A Xanthomonas uridine 5′-monophosphate transferase inhibits plant immune kinases p.114

doi: 10.1038/nature10962

植物:推定上の新規オーキシン輸送体ファミリーが、植物の細胞内オーキシンの恒常性を調節する

A novel putative auxin carrier family regulates intracellular auxin homeostasis in plants p.119

doi: 10.1038/nature11001

生理:概日行動と概日代謝のREV-ERB-αとREV-ERB-βによる調節

Regulation of circadian behaviour and metabolism by REV-ERB-α and REV-ERB-β p.123

doi: 10.1038/nature11048

生理:イノシトール–1,4,5–三リン酸受容体は絶食時および糖尿病における肝臓の糖新生を調節する

Inositol-1,4,5-trisphosphate receptor regulates hepatic gluconeogenesis in fasting and diabetes p.128

doi: 10.1038/nature10988

生化学:無秩序な構造を持つペプチド領域の立体特異的結合が引き起こすBKチャネル不活性化

Stereospecific binding of a disordered peptide segment mediates BK channel inactivation p.133

doi: 10.1038/nature10994

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