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免疫:ナチュラルキラー細胞は抗ウイルス性T細胞を調整する加減抵抗器として働く

Nature 481, 7381 doi: 10.1038/nature10624

抗ウイルス性T細胞は、C型肝炎ウイルス(HCV)やヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染がウイルス制御にいたるのか、無症候性持続感染になるのか、あるいは重症化するかを調節していると考えられているが、このような異なった転帰がもたらされる理由は明らかでない。しかし、最近の遺伝学的な研究結果から特定のナチュラルキラー(NK)細胞受容体とHIVおよびHCV両ウイルスによる感染の経過との間に関連性が示され、これらのT細胞関連疾患にNK細胞がかかわっていることが示唆されている。ある種のウイルス感染、とくにマウスサイトメガロウイルス(MCMV)やHIVによると思われる感染でも、NK細胞によるウイルス感染細胞の直接的な溶解が抗ウイルス防御に寄与している可能性があるが、NK細胞には免疫調節機能もあるのではないかと考えられている。例えば、NK細胞はMCMVに感染した抗原提示細胞を溶解することによってT細胞応答を間接的に調節しているらしい。MCMVとは対照的に、マウスにおけるリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)感染は、NK細胞の直接的な抗ウイルス作用に抵抗性を示すようである。本論文では、ヒトのHIVやHCV感染の確立したモデルであるLCMV感染マウスでのT細胞依存的なウイルスの持続感染や免疫異常の調節におけるNK細胞の役割について調べた。我々は、CD8 T細胞の機能や疲弊に影響を与える活性化CD4 T細胞を、活性化NK細胞が細胞溶解によって排除するという、三者の間の相互作用について述べる。ウイルス量が多い場合、NK細胞は致命的な病態になることを防いだが、T細胞の疲弊とウイルス感染の持続を許し、ウイルス量が中程度の場合、NK細胞は、逆にT細胞を介する致死的な病態を促進した。したがって、NK細胞には加減抵抗器としての役割があり、ウイルス感染の病原性や持続性を制御する抗ウイルス性CD8 T細胞へのCD4 T細胞を介する支持を調節していると考えられる。

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