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医学:初期前駆T細胞性急性リンパ芽球性白血病の遺伝的基盤

Nature 481, 7380 doi: 10.1038/nature10725

初期前駆T細胞性急性リンパ芽球性白血病(ETP ALL)は、遺伝的基盤がわかっていない進行性の悪性腫瘍である。我々は、12症例のETP ALLの全ゲノム塩基配列解読を行い、それにより同定した体細胞変異の頻度をT細胞性急性リンパ芽球性白血病の94症例において評価した。ETP ALLの特徴として、サイトカイン受容体およびRASシグナル伝達を調節する遺伝子群の活性化変異(NRASKRASFLT3IL7RJAK3JAK1SH2B3およびBRAFで症例の67%)、造血系の発生を損なう不活性化変異(GATA3ETV6RUNX1IKZF1およびEP300で58%)、およびヒストン修飾にかかわる遺伝子群の変異(EZH2EEDSUZ12SETD2およびEP300で48%)が見つかった。また、DNM2ECT2LおよびRELNなどの頻発変異である新規標的も同定された。この変異スペクトルは骨髄腫瘍に類似しており、さらにETP ALLの転写プロファイル全体は、正常および骨髄性白血病の造血幹細胞のものと類似していた。これらの知見は、骨髄性白血病用の治療を加えることでETP ALLの転帰不良が改善される可能性を示唆している。

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