Letter

遺伝:MITFに頻発する新規の変異は家族性および散発性の黒色腫の素因である

Nature 480, 7375 doi: 10.1038/nature10630

家族性黒色腫に関連する遺伝子は、これまでに2つが同定されており、家系における遺伝学的リスクの一部の説明となっている。CDKN2Aの変異は家族性症例の約40%を占め、また、ごく少数の黒色腫家系では、素因となるCDK4の変異が報告されている。本論文では、家族性黒色腫に関連する他の遺伝子を同定する目的で、複数の黒色腫家系の発端者の全ゲノム塩基配列解読を行った結果を報告する。1人の被験者が、黒色腫系統特異的がん遺伝子である小眼球症関連転写因子(MITF)に新規の生殖細胞系列変異(DNA塩基配列c.G1075Aをコードする。タンパク質配列はp.E318K;rs149617956)を持っていることがわかった。この変異は、家系内の全症例ではなく、いくつかの症例でのみ黒色腫と共分離したが、その後この変異を持つことが明らかになった31家系の連鎖解析は、優性モデルでlog of odds(ロッド)値が2.7であったことから、E318Kが中程度のリスク変異である可能性が示唆された。このことと合致して、E318K変異はオーストラリア人の大規模な症例対照サンプルで黒色腫と有意な関連を示した。同様に、英国人の独立した症例対照サンプルでも、類似した関連が見られた。オーストラリア人サンプルでは、この変異対立遺伝子が、黒色腫、多発性原発性黒色腫、あるいはその両方の家族歴をもつ症例で有意に多く見られた。また、この変異対立遺伝子は母斑数の増加および非青色の目の色とも関連があった。E318Kの機能解析から、この変異対立遺伝子によってコードされるMITFでは、SUMO化の低下と、いくつかのMITF標的の調節異常が示された。これらのデータは、MITFが黒色腫の素因遺伝子であることを示すとともに、全ゲノム塩基配列解読が疾患感受性に関連する新規の稀な変異の同定に有用であることを強調している。

Full text| PDF

目次へ戻る

プライバシーマーク制度