Letter

遺伝:グリーンアノールトカゲのゲノム並びに鳥類および哺乳類との比較分析

Nature 477, 7366 doi: 10.1038/nature10390

有羊膜卵の進化は、生命史上で最大の進化的革新の1つであり、これにより脊椎動物は水中環境への絶対的依存から解放されて陸上の制覇が可能になった。有羊膜類のうち哺乳類と鳥類のゲノム塩基配列は明らかにされているが、非鳥類型爬虫類のものはまだ解読されていない。本論文では、北米産のトカゲであるグリーンアノール(Anolis carolinensis)のゲノム塩基配列を報告する。A. carolinensisのマイクロ染色体は、ニワトリのマイクロ染色体と高度なシンテニー(構成の類似性)を示すが、鳥類のマイクロ染色体に特徴的な高いGC含量および低い反復配列含量は認められないことがわかった。また、A. carolinensisの可動性配列はきわめて新しく多様であり、ゲノム配列が解読済みの有羊膜類ゲノムでこれに及ぶものはない。このトカゲのゲノムのGC含量は均一性の点でも飛び抜けており、哺乳類および鳥類のGC含量が領域によって変化するのとは対照的である。我々は、これまで知られていなかったA. carolinensisのX染色体を明らかにし、その塩基配列を示した。遺伝子の比較解析から、有羊膜類の卵のタンパク質は、ほかのタンパク質よりもかなり迅速に進化したことがわかった。アノールトカゲの系統発生解析によって、初期の分岐状況が解明され、この仲間の度重なる適応放散の歴史が明らかになる。

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