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神経:ショウジョウバエ嗅覚系による酸の検知

Nature 468, 7324 doi: 10.1038/nature09537

酸の匂いには、しばしば刺激的で鋭くツンと鼻をつく独特な性質がある。酸であることがどのように検知され、適切な行動反応に変換されるのかは、よくわかっていない。本論文では、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)には、ほかとは機能的に異なり、酸に対して高い特異性を示す嗅覚ニューロンがあることを述べる。この嗅覚ニューロンは、最近匂い受容体候補分子として同定されたイオンチャネル型受容体(IR)のファミリーに属するIR64aを発現している。in vivoカルシウム画像化によれば、触角葉中のDC4糸球体に投射しているIR64a+ニューロンは、酸によって特異的に活性化する。IR64a+ニューロンの機能やIR64a遺伝子を破壊したハエでは、酸に対する生理的反応や行動応答に異常がみられたが、酸でない匂い物質への応答に影響はなかった。また、IR64a+ニューロンを人為的に刺激すると、忌避応答が生じた。これらの結果を総合すると、ショウジョウバエ嗅覚系での酸検出の細胞基盤・分子基盤が明らかにされ、末梢での酸臭の符号化がラベルドライン方式によっていることが支持される。

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