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医学:HIV-1に対する潜在的なセンサーは樹状細胞の抗ウイルス自然免疫を活性化する

Nature 467, 7312 doi: 10.1038/nature09337

樹状細胞は、自然免疫による微生物の検出を病原体特異的な適応免疫応答の活性化へつなげることで、宿主防御において重要な機能を担っている。宿主の自然免疫パターン認識受容体を使った、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の細胞内在機構による認識と、それに続く抗ウイルスT細胞応答が存在するかどうかについては、まだわかっていない。樹状細胞はおおむね、HIV-1感染抵抗性であるが、トランスエンハンスメント過程によって、共培養したヘルパーT細胞の感染を促進する。今回我々は、樹状細胞の感染に対する抵抗性を失わせると、HIV-1が樹状細胞の成熟、抗ウイルス性I型インターフェロン応答およびT細胞の活性化を誘導することを示す。この自然免疫応答は、新たに合成されたHIV-1キャプシドと細胞のシクロフィリンA (CYPA)との相互作用、およびそれに続く転写因子IRF3の活性化に依存している。ペプチジルプロリルイソメラーゼであるCYPAはまた、HIV-1キャプシドと相互作用して感染性を助長するので、我々の結果は、キャプシドのコンホメーションが感染性対潜伏性という相反する選択圧の下で進化してきたことを示している。したがって、樹状細胞には細胞内在性のHIV-1センサーが存在し、抗ウイルス免疫応答を媒介するが、この機構は、樹状細胞の感染が起こらないために通常は活性化しない。HIV-1の病原性はこの応答回避と関連する可能性があり、有効なHIV-1ワクチンの作出にはこの回避機構の操作が必要と考えられる。

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