Letter

生化学:シグナル認識粒子によるシグナルペプチドの認識

Nature 465, 7297 doi: 10.1038/nature08870

タンパク質の適切な細胞内区画への誘導は、あらゆる細胞にとって非常に重要な過程である。分泌タンパク質と膜タンパク質では通常、アミノ末端にシグナルペプチドが含まれ、新生ポリペプチド鎖がリボソームから出てきたときにシグナル認識粒子(SRP)がこれを認識して結合する。このSRP、リボソーム、新生ポリペプチド鎖の複合体は次いで、SRP受容体とのGTPに依存した相互作用によって、真核生物の場合には小胞体膜上、細菌の場合には細胞膜上にあるタンパク質透過チャネルへと誘導される。SRPの成分で広く保存されているSRP54やその細菌相同体であるFfh(fifty-four homologue)はシグナルペプチドに結合するが、シグナルペプチドは大きく異なった配列をもち、正電荷をもつn領域、通常は8〜20個の疎水性アミノ酸残基が含まれるh領域、極性のc領域に分けられる。どのシグナル配列についても、SRP54との結合を示す構造は報告されていない。今回我々は、古細菌Sulfolobus solfataricusのSRP54(Ffh)とシグナルペプチドが柔軟なリンカーを介してつながった融合タンパク質を作製した。この融合タンパク質は、それぞれ異なる鎖に属するSRP54部分とシグナルペプチド部分との相互作用によって、液体内でオリゴマーを形成し、SRPのRNAやSRP受容体FtsYとの結合によって機能をもつことが示された。我々は、このSRP54–シグナルペプチド複合体が作る二量体の、分解能3.5 Åでの結晶構造を示す。これから、SRP54がシグナル配列を認識する仕組みが明らかになる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度