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物理:光共振器中の超流体気体によるディッケ量子相転移

Nature 464, 7293 doi: 10.1038/nature09009

相転移は融解や凝固など物理系の突然の状態変化を記述する。量子気体では、その基礎となる物理的性質をとらえる一般的なモデルと実験との直接の関係を明らかにする機会が得られる。ディッケモデルは集団的な物質と光との相互作用を記述し、興味ある量子相転移をみせると予測されている。今回我々は、光共振器と結合したボース・アインシュタイン凝縮体が形成する開放系においてディッケ量子相転移を実現し、自己組織化した超固体相が現れるのを観測した。この相転移は、共振器モードとポンプ場による二光子過程で生じる、凝縮原子間の無限に長距離の相互作用により駆動される。また、この相転移は、反対方向に回転する結合項を含んだディッケハミルトニアンにより記述され、その超固体相が自発的な破れた空間対称性を伴っていることを示す。図示されたこの相転移の境界面は、ディッケモデルと定量的に一致した。我々の結果は、長距離相互作用がある量子気体の研究を容易にし、また新規な量子相を調べる方法を提供するだろう。

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