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物理:超ウラン原子の質量を直接測定して「安定性の島」への隔たりを埋める

Nature 463, 7282 doi: 10.1038/nature08774

原子の質量には、すべての構成要素とそれらの相互作用が含まれている。原子の質量と、その構成要素の質量の和との差が束縛エネルギーで、アインシュタインの有名な関係式E = mc2の現れである。束縛エネルギーは、核反応や核崩壊(したがって星の中での元素合成)に使えるエネルギーを決めており、元素がどこまで重くなりうるかという基本的問題のカギを握っている。超重元素は困難な生成実験で観測されているが、現在のところ、このような核種の束縛エネルギーに関する我々の知識は、その崩壊生成物の検出にのみ基づいている。しかし、広範囲の崩壊系列からの再構築には不確実性が入り込み、解釈が難しくなる。本論文では、超ウラン核種の質量を直接測定したことを報告する。陽子数-中性子数図表においてアクチニド核種の最先端に位置するこれらの核種は、予測された「安定性の島」への入口になる。我々は、252–254No(原子番号102)を選んで、ペニングトラップ質量分析器SHIPTRAPを用いて質量を測定した。1秒当たり1原子以下というごく低い生成率にもかかわらず、質量の不確実性は10 keV/c2(相対精度0.05 ppm)程度である。我々の実験は、正確さを失うことなく、質量の直接測定を原子番号で10進めた。これは、「安定性の島」に向かう途中の確かなよりどころとなる。

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