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遺伝:古倍数体ダイズのゲノム塩基配列

Nature 463, 7278 doi: 10.1038/nature08670

ダイズ(Glycine max)は、種子にタンパク質や油を多く含み、土壌微生物との共生による大気窒素固定能力をもつことから、最も重要な農作物の1つとなっている。今回我々は、その1.1ギガ塩基のゲノム塩基配列を全ゲノム・ショットガン法を用いて解読し、物理的地図、高密度遺伝子地図と合わせて、染色体規模の概要塩基配列を作製した。タンパク質コード遺伝子は46,430個と推定され、シロイヌナズナよりは70%多く、同じく古倍数体(palaeopolyploid)であるポプラゲノムとは同程度である。推定遺伝子の約78%が染色体末端側領域にあり、これらの末端側領域はゲノム全体の2分の1以下だが、遺伝的組み換えのほぼすべてにこの領域がかかわっている。およそ5,900万年前と1,300万年前にゲノムの重複が起こっており、その結果、遺伝子の75%近くが複数のコピーをもつ非常に重複の多いゲノムとなっている。この2回の重複の後に、遺伝子の多様化と喪失、数多くの染色体再編成が起こっている。ダイズゲノムの正確な塩基配列によって、ダイズのさまざまな形質の遺伝的基盤の解明が容易になり、ダイズ改良品種の開発が促進されるだろう。

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