Article

遺伝:ヒトがんゲノムにおける体細胞突然変異の網羅的カタログ

Nature 463, 7278 doi: 10.1038/nature08658

体細胞突然変異は、すべてのがんで生じている。これらの体細胞性変化の一部はドライバー変異とよばれ、選択的な増殖優位性をもち、発がんにかかわるとされているが、残りは乗客変異である。今回我々は、同一患者から得た悪性黒色腫およびリンパ芽球様細胞株のゲノム配列を解読し、個別のがんの体細胞突然変異について初めての網羅的カタログを得た。このカタログは、このがんゲノムがどのような力によってできたかを解明するうえで、大きな手がかりとなる。主要な突然変異の特徴は、悪性黒色腫のリスク因子として知られる紫外線曝露によるDNA損傷を反映している一方、変異がゲノム全域にわたって不均等に分布し、遺伝子フットプリントでの頻度が低いことから、DNAの修復が転写領域に対して選択的に行われたことを示している。今回の結果は、がんゲノム配列は、がんの徴候が現れる何年も前に起こっていたDNAの損傷、修復、変異、および選択の過程の痕跡を、明らかにするのに役立つことをはっきりと示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度