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遺伝:詳細に注釈付けされた韓国人の個人全ゲノム配列

Nature 460, 7258 doi: 10.1038/nature08211

DNA配列決定技術における最近の進歩により、個人のゲノム配列を決定する時代が始まった。これまでに、地理的に異なる3つの地域に祖先をもつヒトのゲノム配列が報告されており、その内訳はアフリカのヨルバ族1人、北西ヨーロッパに祖先をもつ人2人、中国人1人となっている。今回我々は、AK1とよばれる1人の韓国人の、詳細に注釈付けされた全ゲノム塩基配列を発表する。AK1のゲノムの塩基配列決定では精密さが要求される複合的な方法がとられ、全ゲノムショットガン配列決定法(27.8倍のカバー率)、細菌人工染色体を標的とした配列決定、2,400万以上のプローブを搭載したカスタムマイクロアレイを用いた高分解能比較ゲノムハイブリダイゼーションを組み合わせた。これと複数の民族クレードを複合させたNCBI標準配列とのアラインメントを行った結果、10,162個の非同義置換SNP、および170,202個の欠失または挿入多型(インデル)を含む、約345万個の一塩基多型(SNP)が明らかになった。SNPとインデルの密度は、ゲノム全域にわたって強い相関が認められた。判定基準を厳守したことで、臨床的考察を行ううえで非常に信頼度の高いコピー数多型が得られた。医学的な関連が予測される表現型については、非同義置換SNP、コードドメインのインデル、構造的変異に関する注釈付けを行った。複数の民族グループに由来するいくつかの個人全ゲノム配列を組み合わせれば、遺伝的祖先、移動パターンおよび集団のボトルネックを理解するうえでの助けとなるであろう。

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