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免疫:アカゲザルでのT細胞ワクチンによるSIV攻撃接種の免疫制御

Nature 457, 7225 doi: 10.1038/nature07469

組み換えアデノウイルス血清型5(rAd5)ベクターを用いたHIV-1に対するワクチンが、ヒトの第2b相臨床治験で最近失敗に終わった。これらの結果と一致して、前臨床試験では、サル免疫不全ウイルス(SIV)Gagを発現するrAd5ベクターは、予防効果のあるMHCクラスI対立遺伝子Mamu-A*01が欠損しているアカゲザル(Macaca mulatta)にSIVを攻撃接種した後のピークまたはセットポイントのウイルス量を減少させないことが示されていた。本論文では、血清学的に異なる2種類のアデノウイルスベクターを用いた改良型T細胞ワクチン接種法により、この攻撃接種モデルで予防効果がかなり改善できたことを示す。特に、血清型の異なるrAd26ベクター(初回免疫)とrAd5ベクター(追加免疫)によりSIVのGagを発現するワクチン接種法は、2回とも同じ血清型のrAd5を用いる接種法に比べ、反応性、範囲、多機能性が増強された細胞性免疫応答を誘導した。SIVMAC251を攻撃接種した後、rAd26/rAd5法でワクチン接種を受けたサルは、コントロールのサルと比較して、ピークのウイルス量が1.4 log、セットポイントのウイルス量が2.4 log減少しただけでなく、エイズに関連した死亡率も低下した。これらの結果は、同種のEnv抗原非存在下でMamu-A*01陰性のアカゲザルにT細胞ワクチンを接種することで、病原性SIV攻撃に対し、500日以上にわたって継続する部分免疫制御が達成可能であることを示している。これらの知見は、HIV-1に対する次世代のT細胞ワクチン候補を開発する上で重要な意味がある。

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