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遺伝:可逆化ターミネーター法を用いた高精度の全ヒトゲノム塩基配列決定

Nature 456, 7218 doi: 10.1038/nature07517

DNA塩基配列情報は遺伝的研究を支え、重要な生物学的、医学的発見に役立っている。塩基配列解読プロジェクトでは、従来長い配列(400〜800塩基)を読み取る方法が用いられてきたが、ヒトをはじめとする多くのゲノムの標準配列が得られたことで、新しい高速の再解読法の開発が可能になり、より短い配列の読み取りを標準配列と比較して生物種内の遺伝的変異を明らかにできるようになっている。本論文では、1実験あたり数十億塩基の高精度のヌクレオチド配列決定を低コストで行う方法を報告する。DNA単分子を平らな表面上に付着させた後、in situで増幅させて鋳型とし、蛍光可逆化ターミネーター・デオキシリボヌクレオチドを用いた合成的塩基配列決定を行う。その平面の画像を解析することにより、高精度の塩基配列が得られる。我々は、フローソートしたX染色体のヒトゲノム塩基配列解読でこの方法の適用を実証し、次に、ナイジェリア、イバダン出身のヨルバ族男性のゲノム塩基配列を決定してこの方法を評価した。我々は、読み取りの深度が平均30倍超の35塩基対からなる高精度のコンセンサス配列を作製し、また、400万個の一塩基多型および40万個の構造的変異の特徴付けを行う。その多くは、これまで未知のものである。我々の方法は、高精度で高速かつ経済的な全ゲノム再解読や、その他多くの生物医学応用に有効である。

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