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医学:細胞遺伝学的に正常な急性骨髄性白血病ゲノムのDNA塩基配列決定

Nature 456, 7218 doi: 10.1038/nature07485

急性骨髄性白血病は悪性度の高い造血器腫瘍であり、米国では年間およそ1万3,000人の成人が罹患する。この疾患の治療は、過去20年間ほとんど変わっていない。その理由は、発病にかかわる遺伝的過程の大部分がまだ解明されていないからである。全ゲノム塩基配列決定が現在手頃な価格でそれほど長大な時間をかけずに行えるようになり、タンパク質をコードする遺伝子に変化を来す腫瘍特異的な体細胞性変異を偏りなく見つけ出すために、この方法を使えるようになっている。本論文では、典型的な急性骨髄性白血病のゲノムと、それに合った同一患者の皮膚由来の正常対照ゲノムを解読して得られた結果を示す。我々は、後天性の変異がある10個の遺伝子を見いだした。そのうち2つは、腫瘍の進展に寄与すると考えられている既知の遺伝子であり、8つは、発症時および再発時にほとんどすべての腫瘍細胞に認められる新しい変異であるが、その機能はまだ不明である。本研究では、これまで発がん性変異が明らかにされていなかったが、標的治療に応答性を示す可能性のある遺伝子のそういった変異を発見できる先入観のない方法として、全ゲノム塩基配列解読を使えることを示す。

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