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遺伝:アジア人一個体の二倍体ゲノムの塩基配列

Nature 456, 7218 doi: 10.1038/nature07484

本論文では、アジア人一個体の二倍体ゲノムの塩基配列を報告する。このゲノムは、大量並行塩基配列決定法を用いて平均36倍のカバー率で塩基配列が解読された。読み取った短い配列をNCBIのヒト標準ゲノム上に整列させると、99.97%をカバーできた。また、標準ゲノム配列に基づいて、読み取った配列の位置を独自に決定し、このアジア人ゲノムの92%について高品質コンセンサス配列を構築できた。この領域内でおよそ300万の一塩基多型(SNP)を同定したが、そのうちの13.6%はdbSNPデータベースに未登録のものだった。遺伝子型解析によって、SNPの同定が高い精度と一貫性で行われたことが明らかになり、この組み立てた配列情報の高品質性が示された。我々はまた、HapMapのCHB(漢民族系中国人)とJPT(日本人)のハプロタイプを参照したヘテロ接合体の相決定やハプロタイプ予測、利用可能な2人の個人ゲノム(J D WatsonとJ C Venter)との配列比較、および構造的な変異の同定も行った。このような変異は生物学的影響をもつと考えられた。今回得られた塩基配列情報とその解析は、個人ゲノミクスへの次世代塩基配列決定法の有用性を実証している。

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