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遺伝:サルとヒトに感染するサルマラリア原虫のゲノム

Nature 455, 7214 doi: 10.1038/nature07306

サルマラリア原虫の一種Plasmodium knowlesiは細胞内に寄生するマラリア原虫で、脊椎動物の自然宿主はカニクイザル(Macaca fascicularis)である。しかし、特に東南アジアにおいては、これがヒトマラリアの重要な発症原因であることが次第に認識されるようになってきた。P. knowlesiは、抗原変異が確認された最初のマラリア原虫であり、ヒトに感染するマラリア原虫の中で2番目に重要な種である三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)と系統的に近い関係にある。このように近縁であるにもかかわらず、この2種の原虫の間には、宿主赤血球の嗜好性および無性生殖期の長さの違いや、P. knowlesiには肝臓内で休眠する「ヒプノゾイト」の段階がないなど、表現型の重要な相異が認められる。今回我々は、P. knowlesi(H株、Pk1(A+)クローン)の核ゲノム配列の解析を明らかにする。これは、初めて解読されたサルマラリア原虫のゲノムであり、最近解読が完了した三日熱マラリア原虫のゲノムや他のプラスモディウム属原虫のゲノム配列との比較を可能にする。他のプラスモディウム属原虫のゲノムとは異なり、変異抗原ファミリーと推定される配列はゲノム全体に分散し、染色体内のテロメア反復配列と隣接している。これらのファミリー(KIR)の1つは、全部を合わせると宿主のCD99の細胞外ドメインの2分の1に一致する塩基配列を含んでおり、これは分子的模倣の珍しい形を示している可能性がある。

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