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発生:IGFBP-4は心臓形成に必要な古典的Wntシグナル伝達阻害因子である

Nature 454, 7202 doi: 10.1038/nature07027

インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP)は、インスリン様増殖因子(IGF)に結合し、その作用を調節する。IGFBPの作用のいくつかはIGFと無関係であることが報告されているが、そのようなIGFBPのIGF非依存的作用機構の詳細についてはほとんどわかっていない。本研究では、これまでに知られていなかった、IGFBP-4の心臓形成増殖因子としての機能を報告する。IGFBP-4はin vitroで心筋細胞への分化を促進し、Igfbp4のノックダウンはin vitroin vivoの両方で心筋形成を抑制した。このIGFBP-4の心臓形成作用はそのIGF結合活性とは独立であり、古典的Wntシグナル伝達への抑制効果を介したものだった。IGFBP-4は、Wnt受容体であるFrizzled 8(Frz8)とWnt共受容体である低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質6(LRP6)と物理的に相互作用し、Wnt3AのFrz8とLRP6への結合を阻害した。IGF非依存性であるものの、IGFがIGFBP-4を占有することによって、IGFBP-4の心臓形成作用は減弱された。以上のことから、IGFBP-4は心臓形成に必要とされる古典的Wntシグナル伝達阻害因子であり、IGFシグナル伝達とWntシグナル伝達を結ぶ分子機構が示された。

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