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気候:エアロゾル汚染減少に起因するアマゾン干ばつの危険性の増大

Nature 453, 7192 doi: 10.1038/nature06960

アマゾンの熱帯雨林は気候システムにおいて重要な役割を担っており、エネルギーを吸収し、この地域の降雨の約半分を再循環させることによって熱帯の大気循環駆動に寄与している。さらにこの地域(アマゾン地方)には、陸上生態系に貯蔵されている全炭素量の約10分の1があり、地球規模の純一次生産力の10分の1を担っていると見積もられている。したがって、いくつかの大気大循環モデル(GCM)によって21世紀におけるアマゾン地方の深刻な乾燥化が予測されていることから、特に森林伐採と地球温暖化が組み合わさって生じる重圧に対する森林の回復力は、極めて重大な問題である。本論文では、西アマゾンで起こった2005年の干ばつに関するこれらの気候予測を分析した。この干ばつは、北大西洋の海面水温(SST)が異常に高かったことに伴って起きた。我々は、西アマゾンにおける乾期(7〜10月)の降雨減少は、赤道大西洋全域にわたる南北方向のSST勾配(「大西洋N-S勾配」)の指標と相関することを示す。我々の気候モデルは、エアロゾルの影響をモデルに含めれば、この関係のみならず、20世紀に観測された大西洋N-S勾配の数十年変動も再現できるという点で、現行のGCMの中でも並外れたものといえる。同じモデルを用いた21世紀のシミュレーションでは、北半球における反射性エアロゾル汚染が継続して減少するため、2005年の干ばつを伴ったSST条件が、将来はより頻繁にみられるようになる傾向が強いことが示されている。

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