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宇宙:土星の中層大気における赤道域振動

Nature 453, 7192 doi: 10.1038/nature06912

惑星の中層大気は、放射加熱と放射冷却、平均子午面運動、(深い対流圏を起源とする)鉛直伝播する波動の組み合わせにより駆動されている。これらの効果をモデル化することは非常に困難であり、したがって、大気についての我々の理解を深めるために観測は必須である。地球と木星の赤道成層圏は、波動により駆動される運動量輸送が原因となり、それぞれ、約2年および4年の時間スケールで準周期的に振動している。金星とタイタンでは、地表面と大気との相互作用および慣性不安定に起因する波動の影響により、大気が地表面よりも高速で回転する(超回転)と考えられている。しかし、これに関与する波動モードは詳しくはわかっていなかった。本論文では、土星には地球と木星でみられるような赤道域振動、さらに赤道運動に関連する可能性がある中緯度の沈降流が存在することを示唆する赤外観測の結果を示す。土星での振動の緯度方向の幅から、この振動は、地球と木星のものと同じ基本的な物理に従っていることを示している。将来高い分解能で温度分布の観測が行われれば、これら3つの異なる大気のモデル化と組み合わせて、中層大気の振動をもたらす波動のモード、波長、振幅を決めることが可能になるだろう。

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