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生態:高度に沿った種数勾配にみられるスケール効果と人間による影響

Nature 453, 7192 doi: 10.1038/nature06812

環境内の種数勾配の特徴を表す普遍的パターンを探し出そうとする試みは、過去200年間にわたり続けられてきたにもかかわらず、そのようなパターンで広く認められているものは意外にもほとんどない。高度に沿った種数勾配は、寒冷な高緯度地域から温暖な低緯度地域へ移るに従って緯度に沿って種数が増加するのと同様に、寒冷な高地から温暖な低地へいくに従って一般に増加するとこれまで考えられてきた。しかしながら最近、高度に沿った種数勾配は、多様性の大規模パターンに関する仮説を検証するモデルになることが広く認められるようになり、多様性を説明する多くの主要な仮説を裏付けるために用いられてきたが、見解の一致はほとんど得られていない。今回我々は、ピレネー山脈の3,046花種に関する400,000件の記録からなるデータセットをさまざまな解析スケール(サンプリングの粒度と勾配範囲の変更による)でリサンプリングしたところ、勾配範囲のスケールを小さくするに従って、導出される種数パターンは山形のパターンから単調なパターンへと徐々に変化した。スケール効果のみで、これまでの文献で報告されてきたのと同じくらい多くの競合パターンが生じ、スケール効果によって、競合するさまざまな仮説に対して統計的に有意に異なる裏付けが得られた。低山帯の生態系と人間活動は密接に結びついていることから、現在の研究におけるスケール効果は、人間活動によって影響を受ける可能性がある。この相互依存関係は自然低地環境の世界的減少を招き、普遍的パターンの発見を妨げ、地球上の生物多様性分布を決定する仕組みを見つけ出すために普遍的な多様性勾配を探るのを遅らせている。

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