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遺伝:熱帯性果樹パパイア(Carica papaya Linnaeus)トランスジェニック体のゲノム概要配列

Nature 452, 7190 doi: 10.1038/nature06856

パパイアは熱帯および亜熱帯地方で栽培されている果樹で、その栄養価の高さと医薬的用途でよく知られている。今回我々は、商品化された初めてのウイルス耐性トランスジェニック果樹である「サンアップ」パパイアについて、重複度3の概要ゲノム塩基配列を報告する。このパパイアゲノムはシロイヌナズナゲノムに比べて3倍の大きさがあるが、含まれる遺伝子数は少なく、中でも病害抵抗性遺伝子類似体は著しく少ない。解読されている5種のゲノムとの比較から、被子植物の13,311個からなる最少遺伝子セットが示唆される。これまでに解読された他の被子植物ゲノムとは違って、パパイアゲノムでは最近ゲノム重複が起こっていないことが、ほとんどの機能群で遺伝子数が比較的少ないことの理由かもしれない。しかし、特定の機能群では遺伝子数の著しい増幅がみられ、樹木に類似した習性、デンプンの貯蔵と動員、種子散布者の誘引、熱帯地方の長い日照時間への適応に役割を果たしていると考えられる。3つの遺伝子導入箇所は、葉緑体DNAの核ゲノムへの挿入やトポイソメラーゼI認識部位と密接な関連がある。パパイアには、果樹の機能ゲノミクスの系としてさまざまな利点があり、このゲノム概要配列は、パパイア属植物の特徴的な形態生理学的性質、薬理作用、栄養特性の基盤を解明する土台となるだろう。

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