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気候:過去22万4千年間における東アジアモンスーンの千年スケールおよび軌道スケールの変化

Nature 451, 7182 doi: 10.1038/nature06692

中国の洞窟二次生成物の分解能の高い記録からは、東アジアモンスーンの強度を制御する要因について知見が得られてきた。しかし、最近の2つの間氷期-氷期サイクルにおけるモンスーンについては記録に空白があったため、これらの要因はまだ完全には解明されていない。特に、モンスーンに対する軌道スケールの制御、千年スケールでの事象の原因、モンスーンの変化と他の地域の気候変化との関係に関する仮説は、記録の部分的空白のために検証できなかった。本論文では、中国中央部のSanbao洞窟から得られた、絶対年代が決定された酸素同位体記録を示す。この記録は過去22万4千年にわたるもので、中国の洞窟から得られた東アジアモンスーンの強度の記録を完全にするものである。この記録では、年代決定における誤差の許す範囲内で、北緯65度の夏の太陽入射と同期する2万3千年のサイクルが支配的であり、軌道変化の時間スケールでの北半球夏季の太陽入射の変化に対して、熱帯/亜熱帯のモンスーンが支配的かつ直接的に応答するという説が裏付けられる。このサイクルは千年スケールの強い夏のモンスーン事象(中国の亜間氷期)によって中断されており、この新しい記録により、最近の2つの間氷期-氷期サイクルにおける一連のモンスーン事象をすべて同定できるようになった。最終氷期とその前の氷期の両方で、氷河の形成時にはこの事象の持続期間は短くなり、頻度は増加した。これは、氷床の大きさがこの事象の性質と発生のペースに影響を及ぼしたことを示している。モンスーン事象が起こった年代は極めて容易に特定でき、したがって、気候記録を相関させたり較正したりする際の基準として役立つ可能性がある。

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