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免疫:NLRX1は、ミトコンドリアの抗ウイルス免疫の調節因子である

Nature 451, 7178 doi: 10.1038/nature06501

細胞内受容体のRIG類似ヘリカーゼ(RLH)ファミリーは、ウイルス感染の際にウイルスの核酸を感知して、ミトコンドリアの抗ウイルスシグナル伝達アダプターMAVS(Cardif、VISA、IPS-1とも呼ばれる)を介してシグナルを伝達する。MAVSが活性化されると、I型インターフェロンなどの抗ウイルス性サイトカインが速やかに生産される。MAVSは抗ウイルス免疫に不可欠だが、ミトコンドリア側からのMAVSの調節についてはいまだに解明されていない。本論文では、非常によく保存されたヌクレオチド結合ドメイン(NBD)とロイシン・リッチ・リピート配列(LRR)をもつタンパク質ファミリー(NLR)に属するヒトNLRX1が、ミトコンドリアの外膜に局在し、MAVSと結合することを明らかにする。NLRX1が発現すると、RLHやMAVSを介したインターフェロン-β促進作用が著しく阻害され、また、ウイルスが誘発するRLHとMAVSの結合も破壊される。低分子干渉RNAを用いてNLRX1を除去すると、ウイルスが誘発するI型インターフェロン生産が促進され、ウイルスの複製が抑制される。この研究により、NLRX1がミトコンドリアの抗ウイルス応答の阻止役であることが明らかになり、これがNLRシグナル伝達、細胞内ウイルス感知、ミトコンドリアを活用した抗病原体シグナル伝達という、古くからある3つの細胞過程の接点になっていることがわかった。これは、NLRX1は単なる受容体というより病原体に関連する分子パターン受容体の調整因子であるとする一歩進んだ概念であり、抗ウイルス応答を亢進させるための重要な治療標的が突き止められた。

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