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植物:光とジベレリンによる細胞の伸長制御の分子基盤

Nature 451, 7177 doi: 10.1038/nature06520

実生の発生の際には、細胞の伸長は光とジベレリン(GA)によって拮抗的に調節される。光は光形態形成を引き起こし、胚軸の成長を阻害するが、GAは黄化成長を促進し、胚軸の伸長亢進がその特徴である。しかし、この拮抗的な相互作用の基盤となる仕組みは明らかになっていない。本論文では、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の核転写因子PIF4(PHYTOCHROME INTERACTING FACTOR 4遺伝子にコードされる)が、細胞の伸長に関係する遺伝子の正の制御に中心的役割を果たしていることを報告し、さらにこのPIF4が光受容体phyBによって、またGAシグナル伝達系における重要なリプレッサーであるDELLAタンパク質によって負に調節されることも明らかにした。また、PIF4は光があるとphyBによって不安定化され、DELLAはPIF4のDNA認識ドメインに結合することによりPIF4の転写活性を阻害することもわかった。GAは、DELLAの不安定化促進によりこの抑制を解除し、その結果として遊離のPIF4が核に蓄積する。このモデルは、DELLAとPIF4の両方を過剰に蓄積するトランスジェニック植物の胚軸の長さが中程度になるという観察結果とも一致する。植物がどのようにして光とGAシグナルを統合し、環境の変化に応じた最適な成長を図るのかは、PIF4のphyBによる不安定化とDELLAによる不活性化から構成されるタンパク質相互作用機構という仕組みで説明できる。

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