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生態:熱帯の農業生態系にみられるアリ・コロニーのクラスターとロバストな臨界状態

Nature 451, 7177 doi: 10.1038/nature06477

自然の生物学的空間において、空間パターンは大スケールでの計測が困難なこともあるが、種の多様性、安定性、回復力などの重要な生態学的特性の決定要因の1つとして重要である。今回我々は、熱帯の樹上性アリの普通種が、局所的なサテライトコロニー形成と天敵(主に寄生バエ)による密度依存的な制御の組み合わせにより巣のクラスターを形成することを、大空間スケールで実証する。クラスターサイズは、いわゆるロバストな臨界状態(robust critical state)と一致するべき乗則に従う。臨界状態でのこの内因性のクラスター形成は、大空間スケールで非ランダムパターンを形成する昆虫個体群における、今までほとんどみられなかった例である。さらに、このアリは、もっと大きいネットワーク内において害虫防除の生態系機能に貢献するキーストーン種であるので、大スケールでの空間動態がどのように局所レベルでの生態系サービスに影響しうるかを示す一例ともなる。

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