Letter

腫瘍:肺腺癌のゲノム解析

Nature 450, 7171 doi: 10.1038/nature06358

細胞のDNAの体細胞性変化はほとんどすべてのヒトの癌でみられる。標的治療への期待、そして高分解能の全ゲノム解析法の発達が、癌のゲノム解析の組織的な取り組みに拍車をかけている。本論文において、我々は、原発性肺腺癌におけるコピー数の変化を調べた大規模な研究プロジェクトを報告する。高密度な一塩基多型のアレイを用いて多数の腫瘍(n=371)を解析することで、計57個の高頻度に認められる遺伝子異常を同定した。39個の常染色体腕のうち26個において、大規模なコピー数の増加あるいは減少が一貫してみられることを見いだした。しかし、特定の遺伝子に関連していたのは、そのうちのごく少数だった。さらに我々は、24の遺伝子増幅と7つのホモ接合性欠失という計31個の高頻度に認める局所の遺伝子異常を見つけた。これらの局所の遺伝子異常の中で、肺癌において既知の遺伝子変異と関連があったのは現時点で6つに過ぎなかった。最も高頻度にみられた第14染色体長腕13.3(14 q13.3)の増幅は、検体の約12%に認められた。ゲノムおよび機能解析に基づいて、我々はNKX2-1(NK2 ホメオボックス1、別名TITF1)が、最小の14q13.3の増幅区間に局在し、かなりの割合の肺腺癌に関与している新たな候補癌原遺伝子として、系統特異的な転写因子をコードしていることを明らかにした。より一般的には、我々の結果は、肺腺癌に関連する遺伝子の多くはまだ明らかにされていないことを示している。

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