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細胞:Tim4をホスファチジルセリン受容体として同定

Nature 450, 7168 doi: 10.1038/nature06307

プログラムされた細胞死では、多数の細胞がアポトーシスを起こしてマクロファージによって貪食され、死細胞から有害な物質が放出されることが防がれる。また、赤血球分化の最終段階で、核は赤血球前駆細胞から排出され、マクロファージによって貪食される。アポトーシスを起こした細胞の表面や、赤血球前駆細胞から排出された核の表面上にはホスファチジルセリンが露出され、貪食に対する「eat me」シグナルとして作用する。細胞間のシグナル伝達に関与するエキソソームの表面にもホスファチジルセリンが露出されている。本論文では、マウスの腹腔マクロファージに対するハムスターのモノクローナル抗体ライブラリーを作成し、この中からアポトーシス細胞のホスファチジルセリンに依存した貪食を強く阻害する抗体を見いだした。次いで、発現クローニングによって、この抗体が認識する抗原がTim4(T-cell immunoglobulin- and mucin-domain-containing molecule、別名Timd4)と呼ばれるI型膜貫通タンパク質であることを同定した。Tim4は、脾臓、リンパ節、および胎児肝など、さまざまなマウス組織のMac1+細胞に発現しており、免疫グロブリンドメインを介してホスファチジルセリンを識別し、アポトーシス細胞に結合した。繊維芽細胞にTim4を発現させると、この細胞はアポトーシス細胞を盛んに貪食した。抗Tim4モノクローナル抗体をマウスに投与すると、胸腺マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食が有意に阻害され、このマウスは自己抗体を産生した。Timファミリーに属する他の分子の中では、Tim1が特異的にホスファチジルセリンに結合したが、Tim2やTim3は結合しなかった。Tim1あるいはTim4を発現するBa/F3 B細胞には、ホスファチジルセリンを介してエキソソームが結合し、エキソソームはTim1とTim4の結合を促進した。これらの結果は、Tim4とTim1が、アポトーシス細胞を貪食するためのホスファチジルセリン受容体であり、また、エキソソームが関与する細胞間シグナル伝達にもかかわっている可能性を示している。

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