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遺伝:進化の痕跡を使ってショウジョウバエ属12種のゲノムにある機能要素を発見

Nature 450, 7167 doi: 10.1038/nature06340

複数の近縁種のゲノム配列を解析し、その比較ゲノム解析を行うことは、どのようなゲノムであれ、それを系統的に理解するための強力な手段の1つとなっている。本論文では、ショウジョウバエ(Drosophila)属の12種のゲノムを用いて、ショウジョウバエの機能要素の新規発見を試みた。機能要素にはそれぞれの型ごとに、厳密な選択的制約によって刻み込まれた変化の特徴的パターン、すなわち「進化の痕跡」(evolutionary signature)がみられる。このような痕跡によって、新規のタンパク質コード遺伝子やエキソン、偽または誤った遺伝子注釈、および数多い終止コドン読み飛ばしなど、多くの例外的な遺伝子構造を識別できる。同様に、非タンパク質コードRNAの遺伝子と構造、および新規マイクロRNA(miRNA)遺伝子が予測される。また、ヘアピン構造の両方の鎖およびDNAの両方の鎖のどちらからもmiRNAがプロセシングされて機能をもつという証拠を提示する。転写前および転写後調節のモチーフも複数種同定され、個々のモチーフ例が高信頼度で予測された。機能要素の発見能力が、比較対象とする生物種の分岐度や数とどのように相関するかも調べ、比較解析研究のための総合的なガイドラインを作成した。

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