Article

細胞:ヘッジホッグはコンホメーションスイッチの誘起によりsmoothenedタンパク質の活性を調節する

Nature 450, 7167 doi: 10.1038/nature06225

ヘッジホッグ(HH)というモルフォゲンは、後生動物の発生に必須である。7回膜貫通型タンパク質smoothened(SMO)は細胞膜を通してHHシグナルを伝達するが、SMOが活性化される仕組みはよくわかっていなかった。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)では、HHがSMOのカルボキシ末端の細胞質側尾部にある複数のSer/Thr残基のリン酸化を引き起こし、これによりSMOが細胞表面に集って活性化される。今回我々は、リン酸化がコンホメーションスイッチを誘起することによりSMOを活性化する証拠を示す。活性化は、SMOの細胞質側の尾部にある複数のArgクラスターを拮抗阻害することにより起こる。Argクラスターは、SMOの細胞表面での発現を妨げ、SMOを分子内静電相互作用によって維持されている不活性型コンホメーションに保つことで、SMOを阻害している。HHが引き起こすリン酸化は、この相互作用を乱し、コンホメーションスイッチを入れて、SMOの細胞質側尾部の二量体化を引き起こす。二量体化は経路の活性化に必須である。Argクラスター中の変異の数を増やすにつれてSMOの活性化が進むことから、SMOは、複数のArgクラスターを種々のリン酸化で打ち消される阻害要素として用いることにより、HHシグナルを別々の応答に振り分ける加減抵抗器として働いていると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度