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発生:カルシニューリンの一過的な活性化がアフリカツメガエルにおける胚発生の開始に必須である

Nature 449, 7160 doi: 10.1038/nature06136

動物の卵では、受精時に細胞質のカルシウムイオン(Ca2+)濃度が上昇することによって、さまざまな活性化(賦活)反応が引き起こされる。脊椎動物では、分裂中期で停止していた減数第二分裂の終了(MII終了)や、表層顆粒のエキソサイトーシスに始まる表層の再構築が、この反応に含まれる。MII終了の誘起にCa2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼIIが必須であることは証明されているが、Ca2+/カルモジュリン依存性のプロテインホスファターゼであるカルシニューリンについては、卵の賦活における役割がまだ調べられていない。本研究で我々は、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の未受精卵から調製した無細胞系抽出液に、MII終了を引き起こす量のCa2+を添加すると、その直後にカルシニューリンが一過的に活性化されることを示す。カルシニューリンの活性化が阻害されると、サイクリンBの分解によるサイクリン依存性キナーゼ1(Cdk1)の不活性化が妨げられ、抽出液中に加えられた精子クロマチンは凝縮したままとなる。同様に、卵におけるカルシニューリンの活性化が阻害されると、賦活に際してのMII終了が妨げられ、さらに、表層顆粒のエキソサイトーシスは起こるが、表層の賦活収縮(activation contraction)は抑制される。我々はさらに、賦活後にカルシニューリンの活性が高いまま維持されると、卵抽出液中においては精子星状体の成長が阻害され、これに一致して、受精卵では雄性前核と雌性前核の接近が妨げられることを示す。よって、受精卵におけるカルシニューリンの活性化と続いて起こる不活性化は、共に脊椎動物における胚発生の開始に必須である。

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