Article

遺伝:7種類の一般的疾患14,000症例および共通対照群3,000名を対象とした全ゲノム関連解析

Nature 447, 7145 doi: 10.1038/nature05911

全ゲノム関連解析(GWA)研究は、ヒトの一般的な疾患に関係する遺伝子同定の強力な手段となるという証拠が増えつつある。本論文では、英国人集団を対象に行った合同GWA研究(Affymetrix GeneChip 500Kマッピングアレイセットを使用)について報告する。この研究では、7種類の主要疾患おのおのに対して約2,000名の患者と、すべての疾患に共通する約3,000名の対照群を調べた。症例対照比較で、24個の独立した関連シグナルがP<5×10−7で同定され、その内訳は、双極性障害1、冠状動脈疾患1、クローン病9、慢性関節リウマチ3、1型糖尿病7および2型糖尿病3であった。従来の知見およびこれまでに完了した再現実験に基づくと、これらのシグナルのほとんどすべてが感受性に対する実際の影響を表している。我々は、既に同定されている多くの遺伝子座で関連を観察しており、そのうちいくつかの遺伝子座は、今回対象となった疾患の2つ以上にリスクを与えるという確たる証拠を見いだした。また、すべての疾患に対して、さらなる感受性遺伝子座を示す可能性が高いシグナル(単点解析におけるP値が10−5と5×10−7の間にある58個の遺伝子座を含む)をさらに多数同定した。サンプルを十分多く集めることの重要性は、同定された大部分の遺伝子座で観察された影響サイズがそれほど大きくないことによって確認された。したがって、本研究はGWA法の完璧な妥当性を示す。さらにこの研究は、共通対照群を慎重に用いれば、多数の疾患表現型のGWA解析の安全かつ有効な手段となることも証明している。また、この研究で、英国人集団で一般的にみられる疾患に関する研究を将来行う際に使えるゲノム規模の遺伝子型データベースが作られた。そして、非ヨーロッパ人を祖先にもつ住民を除外すれば、英国人集団における集団階層化の程度は概してあまり大きくないことがわかった。今回の知見は、これらの重要な疾患についての病態生理学研究の新たな道筋を示すものである。我々のデータ、結果およびソフトウエアは、他の研究者にも広く公開され、ヒトの遺伝学研究のために有力なリソースとなるであろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度