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進化:メダカゲノムの概要塩基配列と脊椎動物のゲノム進化に関する考察

Nature 447, 7145 doi: 10.1038/nature05846

硬骨魚類は、脊椎動物種全体の半分以上を占め、さまざまな海洋および淡水の生息環境に適応している。そのゲノムの進化や多様化は脊椎動物の進化の理解に重要である。これまで2種のフグのゲノム概要塩基配列が発表されているが、より多くの魚類ゲノムの解析が望まれる。本論文では、小さな卵生淡水硬骨魚であるメダカ(Oryzias latipes)ゲノムの高品質概要塩基配列を報告する。メダカは東アジア原産で、環境毒性、発癌、性決定および発生遺伝学など、広範囲の生物学の優れたモデル系である。構築されたメダカゲノム(700メガベース)はゼブラフィッシュゲノムの半分以下で、5′SAGE(5′-end serial analysis of gene expression)のタグ情報から、約2,900の新規遺伝子を含む、20,141の遺伝子が予測された。さらに我々は、2つの地域の集団に由来する2つの近交系間に平均3.42%の割合で一塩基多型(SNP)を見いだした。これは、脊椎動物種の中で観察された最も高いSNP率である。高密度SNP情報に基づく解析から、この2つの地域集団間には厳密な遺伝的隔離が400万年の間続いていたことが示された。また、この間に作用した選択圧は、遺伝子カテゴリーによって差があることが示唆された。ヒト、フグ(Tetraodon)、ゼブラフィッシュ、およびメダカの4つのゲノムの比較解析から、硬骨魚の祖先でのゲノム規模の重複後、約5,000万年という非常に短い期間に、8つの主要な染色体間再編成が起こり、その後、興味深いことに、メダカゲノムではその祖先の核型が3億年以上も保持されていたことが明らかになった。

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