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遺伝:有袋類ハイイロジネズミオポッサムのゲノムで明らかにされた非コード配列における革新

Nature 447, 7141 doi: 10.1038/nature05805

本論文では、ハイイロジネズミオポッサム(Monodelphis domestica)ゲノムの高精度概要配列を報告する。ハイイロジネズミオポッサムは、最初にDNA配列が決定された後獣下綱(有袋類)種であることから、哺乳類ゲノムの構成と進化に関して他に類のない見方をもたらす。ハイイロジネズミオポッサム染色体で際立つ特徴は、偏った遺伝子変換が塩基配列組成に及ぼす強い影響や、染色体の特徴とX染色体不活化との関係などのゲノムの進化と機能に関する最近の学説を裏付けている。また、オポッサムと真獣類のゲノムの比較から、タンパク質をコードする機能領域と非コード機能領域では進化的革新に大きな相違がみられることもわかった。タンパク質コード遺伝子における真の革新は比較的まれらしく、系統特異的な相違は、主に環境との相互作用に関係する遺伝子ファミリー内の多様性と速いターンオーバーが原因と思われる。これとは対照的に、真獣類の進化的に保存されている非コード領域(CNE)の約20%は、真獣類と後獣類の分岐後に最近生じたものである。真獣類に特異的なこれらのCNEの多くは、転位因子によって挿入された塩基配列を起源としており、トランスポゾンが哺乳類の遺伝子制御の進化を生み出す主要な原動力であることを示している。

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