Volume 444 Number 7120

Editorials

米国は、既存の核弾頭が長期的に有効との公的調査結果が出たことを受け、新型核弾頭の開発を断念すべきだ。

Enough warheads, already p.653

doi: 10.1038/444653a

心理学分野の研究者は、不要なためらいを捨て、研究データの公開を促進すべきだ。

A fair share p.653

doi: 10.1038/444653b

エネルギー源として見直されているバイオマスだが、環境への配慮のもとに、経済効率と持続可能性の両立を目指すことが重要だ。

Green shoots of growth p.654

doi: 10.1038/444654a

News

リビアで国際医療チームがHIV疑惑をかけられている問題で、無実を立証する論文が。

Molecular HIV evidence backs accused medics p.658

doi: 10.1038/444658b

Science誌が、不正行為を防ぐために、特定の論文を重点的に査読するシステムを導入へ。

Journal reveals plans to fight fraud p.658

doi: 10.1038/444658a

米政府が、核兵器評議会(NWC)の見解を無視して、新型核弾頭の開発を推進へ。

US backs revamp of nuclear warheads p.660

doi: 10.1038/444660a

ブッシュ政権が気候変動問題を無視する一方で、米議会や司法は積極的な取り組みへ。

Bush faces rough ride over climate change p.660

doi: 10.1038/444660b

石油企業が、ナイジェリアのエイズ対策を支援。

Oil firms back AIDS project in the Niger delta p.663

doi: 10.1038/444663b

南アフリカ政府が、エイズ問題にようやく本腰を。

South Africa takes steps to tackle HIV p.663

doi: 10.1038/444663a

バブル核融合論文の不正疑惑への対応をめぐり、米パデュー大学に強い批判が。

Purdue attacked over fusion inquiry p.664

doi: 10.1038/444664a

脳スキャンのデータを法的判断の材料に用いることに、科学者から懸念が。

Actions speak louder than images p.664

doi: 10.1038/444664b

News Features

バイオ燃料を推進

Introduction: Biofuelling the future p.669

バイオマスはエネルギー効率は低いが、環境に優しく安価などの利点がある。

doi: 10.1038/444669a

サトウキビとエタノール:おいしいところは飲んで、残りはガソリンに

Sugar cane and ethanol: Drink the best and drive the rest p.670

ブラジルのサトウキビ-エタノール産業は好調で、今後の発展も見込まれる。

doi: 10.1038/444670a

米国のバイオ燃料:発酵農場

p.673

農業廃棄物からのエタノール生産の課題を探る。

doi: 10.1038/444673a

液体燃料の合成:走りながら埋め合わせ

Liquid fuel synthesis: Making it up as you go along p.677

石炭から液体燃料を作る技術は二酸化炭素の排出を増やすが、石炭の代わりにバイオマスを使うと、これが克服できるかもしれない。

doi: 10.1038/444677a

News & Views

幹細胞と脳腫瘍

Cancer: Stem cells and brain tumours p.687

幹細胞がある種のがんの持続にかかわっていることがますます確かになってきた。脳腫瘍の1つで治療が困難なものの研究から、幹細胞が腫瘍の放射線耐性を生み出す仕組みについて、ヒントが得られた。

doi: 10.1038/444687a

プラズマの波に乗って

Plasma physics: On the node of a wave p.688

レーザーパルスをうまく使って電子をプラズマの波の上で「サーフィン」させることで、小型の電子加速器を作り出せる。残る問題は、電子をどの程度加速するかを正確に制御することだった。

doi: 10.1038/444688a

右利きがやめられない

Evolutionary biology: Caught right-handed p.689

「ペニスは1つより2つのほうがいい」というのは本当だろうか。交尾器を2つ備えているハサミムシ類に関する研究からすると、必ずしもそうではないようだ。右側のペニスに対して祖先がもっていた行動的選択性が、後になって生じた種で左側のペニスの退化を促進させたらしい。

doi: 10.1038/444689a

胚性幹細胞の復活

Chemical biology: Renewing embryonic stem cells p.692

胚性幹細胞は医療に大いに役立つと思われるが、現在の培養法では治療に用いることができない。この問題を解決させるかもしれない、2つの機能を兼ね備えた化合物が見つかった。

doi: 10.1038/444692b

100 Years Ago p.692

doi: 10.1038/444692a

欠陥と完全な流れ

Condensed-matter physics: Defects and perfect flows p.693

ヘリウム固体結晶の一部が摩擦なしにほかの部分の中を流れることの発見は物理学者の興味をそそるものだった。別個に行われた複数の実験から、この異常な超流動の存在が実証されたが、どうしてそういうものが生じるのかはまだわからないままである。

doi: 10.1038/444693a

温暖化した海のプランクトン

Oceanography: Plankton in a warmer world p.695

人工衛星からのデータによって、植物プランクトンのバイオマスと増殖は、海洋上層の水温が上昇するにつれて、概して低下することが示されている。過去10年間にわたってみられたこうした傾向は、海洋生態系の将来を予告するものなのだろうか。

doi: 10.1038/444695a

チャネルのパドルは油の中

Ion channels: A paddle in oil p.697

細胞膜中にある電位依存性イオンチャネルはどういう仕組みによって開口するのだろう。最新の研究では、この過程は膜内に適切な脂質分子が存在することに依存して行われ、脂質分子のリン酸基が不可欠であると考えられている。

doi: 10.1038/nature05408

DNAのための金属一覧

Chemistry: Metals line up for DNA p.698

多芸多才なDNA分子は生物学以外でも多くの用途が見つかっている。その中で最も新しいのが、さまざまな金属イオンを、糸に通した真珠のように一列に並べるための自己集合の足場として使うというものだ。

doi: 10.1038/444698a

ブラックホールの間の一貫性

Astrophysics: Unity among black holes p.699

ブラックホールの重さは2階級別になっている。活動銀河核はスーパーヘビーウェイト級だが、銀河ブラックホールはどちらかというとフェザー級だ。両者の繰り出すパンチが同じ物理学的過程によっているのかどうかが調べられ、どうやらそうらしいとわかってきた。

doi: 10.1038/444699a

Reinhart Heinrich氏(1946-2006)

Obituary: Reinhart Heinrich (1946–2006) p.700

システム生物学の先駆者だったHeinrich氏が亡くなられた。ご冥福を祈りたい。

doi: 10.1038/444700a

Articles

ウラニウム系列の地球化学的研究から得られたマントルプリュームの力学の考察

Insights into the dynamics of mantle plumes from uranium-series geochemistry p.713

doi: 10.1038/nature05341

間接的互恵行動と高いコストがかかる処罰との効果的相互作用

The efficient interaction of indirect reciprocity and costly punishment p.718

doi: 10.1038/nature05229

Ras/MAPKシグナル伝達の区画化によって定められる胸腺での選択の閾値

Thymic selection threshold defined by compartmentalization of Ras/MAPK signaling p.724

doi: 10.1038/nature05269

Letters

規模の大きくなった銀河系内ブラックホールとしての活動銀河核

Active galactic nuclei as scaled-up Galactic black holes p.730

doi: 10.1038/nature05389

光格子から放出された縮退原子フェルミ気体中の自由フェルミオンアンチバンチング

Free fermion antibunching in a degenerate atomic Fermi gas released from an optical lattice p.733

doi: 10.1038/nature05319

衝突レーザーパルスによるプラズマ航跡場における電子の制御した注入と加速

Controlled injection and acceleration of electrons in plasma wakefields by colliding laser pulses p.737

doi: 10.1038/nature05393

熱放射走査型トンネル顕微鏡

Thermal radiation scanning tunnelling microscopy p.740

doi: 10.1038/nature05265

ネアンデルタール人における臼歯の成長過程

How Neanderthal molar teeth grew p.748

doi: 10.1038/nature05314

現代の海洋生産力の動向は気候によって駆動される

Climate-driven trends in contemporary ocean productivity p.752

doi: 10.1038/nature05317

神経膠腫の幹細胞はDNA損傷応答を選択的に活性化することにより放射線耐性を促進する

Glioma stem cells promote radioresistance by preferential activation of the DNA damage response p.756

doi: 10.1038/nature05236

骨形成タンパク質はヒトの脳腫瘍誘発細胞の腫瘍形成能を抑える

Bone morphogenetic proteins inhibit the tumorigenic potential of human brain tumour-initiating cells p.761

doi: 10.1038/nature05349

クロトーは古典的FGF受容体をFGF23に対する特異的受容体へと転換させる

Klotho converts canonical FGF receptor into a specific receptor for FGF23 p.770

doi: 10.1038/nature05315

リン脂質と電圧センサー中のカチオンゲート電荷の起源

Phospholipids and the origin of cationic gating charges in voltage sensors p.775

doi: 10.1038/nature05416

Review Article

初期神経発生における電気活動

Electrical activity in early neuronal development p.707

doi: 10.1038/nature05300

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