Article

遺伝:繊毛虫ヨツヒメゾウリムシで判明した全ゲノム重複の全般的傾向

Nature 444, 7116 doi: 10.1038/nature05230

ゲノム全体の重複が、進化の過程で新規のものを生じさせる大きな推進力となることは以前から認識されてきたが、遺伝子喪失を介してゲノムが最終的に形成されていく仕組みについてはほとんど解明が進んでいない。今回我々は、単細胞の真核生物である繊毛虫ヨツヒメゾウリムシ(Paramecium tetraurelia)において、40,000個近い遺伝子の大半が、連続して起こった少なくとも3回の全ゲノム重複を通じて生じたことを明らかにする。系統発生解析で、一番最近に起こった重複は、15の同胞種から成るヒメゾウリムシ種複合体を生じた爆発的な種分化過程と一致していることが示された。遺伝子喪失は最初に一斉にまとまって起こったのではなく、長い時間をかけて起こっていることがわかった。同じ代謝経路や同じタンパク質複合体の遺伝子は遺伝子喪失パターンが共通しており、また盛んに発現される遺伝子は3回の重複すべての後も過剰に保持されている。今回の解析の結論として、全ゲノム重複の後も多くの遺伝子が保持されており、その理由は、機能が刷新されたためではなく遺伝子量の制約のためであるということが言える。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度