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News Features

中間選挙騒動:米議会中間選挙での科学という切り札

p.740

11月の米議会中間選挙は大きな山場である。民主党が過半数を占めるためには、上院で6議席、下院で15議席を勝ち取る必要があり、ジョージ・W・ブッシュ大統領にとっては、残る任期の間に勢いを盛り返すか、死に体となって何もできずに交代を待つだけかという大きな違いになる。激しい選挙戦では、民主党も共和党も取って付けたように科学の問題を取り上げて、有権者を動かそうとすることがある。胚性幹細胞研究に対する大統領の最近の拒否権発動は、共和党、民主党のどちらにとっても、自党と他党の候補者の違いを際立たせるよい材料となった。3つの州では、候補者が気候変動、幹細胞、それに(カリフォルニア州ではお決まりといえる)クリーンエネルギーなどの「科学的問題」を主な争点として現職に挑んでいる。今週のNews Feature特集では、選挙戦で科学がどのような役割を演じているかに注目する。

doi: 10.1038/443740a

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進化:ダーウィンの全著作を読めるサイトがオープン

A life online p.746

今週から、チャールズ・ダーウィンの全著作を無料で読めるサイト(http://darwin-online.org.uk)が動き始めた。これまでも、過去の著名な科学者について、このような業績の集大成が行われてきた。それが、彼らに対するその後の科学的評価にどのように影響したか、また現代の科学者が生み出す大量の著作、資料に対しても、同じような試みがなされるかどうかを検証する。

doi: 10.1038/443746a

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News & Views

化学:孔だらけのゼオライト

p.757

ゼオライトは、エレクトロニクス、触媒、ガス貯蔵などに使える多孔質材料である。今回、微細孔の容積が非常に大きい新しいゼオライトが合成され、ITQ-33と名づけられた。合成条件はハイスループット技術を用いて特定された。今回の材料は2種類の細孔系を有しており、その1つはほかのゼオライトの孔に比べると直径が非常に大きい環から成る構造で、中程度の直径の孔をもつ第2の系がこれと交差している。この開放構造は、触媒用途に特に適していると考えられる。

doi: 10.1038/443757a

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進化:最初の菌類

p.758

AFTOL(Assembling the Fungal Tree of Life、菌類系統樹の構築)プロジェクトは、菌類の系統分類上の記録をつなげて1つにまとめる目的で立ち上げられた。菌類界は生物分類の主要な「界」の1つであるが、菌類は小さくて化石があまり残っていないといった理由から、その進化に関してはほとんどわかっていない。このほど、AFTOLの菌学者たちは、200種近い菌類について6つの遺伝子領域を追跡することにより、菌類の初期進化を再構築した。全菌類の最終共通祖先は、鞭毛をもった半ばアメーバ様の、おそらく寄生性の生物として再構築された。その姿は水生菌類および藻類に寄生するRozella allomycisに似ている。

doi: 10.1038/443758a

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細胞:アミロイドを除去する酵素の構造を解明

p.761

インスリン分解酵素(IDE)はインスリンとアミロイドβの除去にかかわっており、血糖値を適正に保ち、脳でのアミロイドβ蓄積を防ぐのに必要だ。IDEと4種の基質との複合体の結晶構造が決定され、基質認識の分子基盤が明らかとなった。これは、アルツハイマー病やII型糖尿病の薬をIDEに基づいて設計する助けとなるだろう。

doi: 10.1038/nature05210

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宇宙:銀河大衝突

p.762

アンドロメダ銀河(M31)は、銀河進化の研究で重要な存在である。最も近くにある渦巻き銀河であるというだけでなく、局所銀河群の中で最も大きいものの1つだからだ。しかし、アンドロメダ銀河は奇妙な形をしており、その外観は研究者の頭を悩ませてきた。この銀河は、外側のリングが銀河中心核に対してずれていることや、外側の円盤が歪んでいることがよく知られている。今回、ずれた塵のリングがさらに内側にあることが、スピッツァー宇宙望遠鏡の撮影した赤外画像で見つかった。どちらのリングも、伴銀河がM31の円盤中心にほぼ正面から突っ込んだ際にできたものであることが、数値シミュレーションを使って示された。突っ込んだ天体は、矮小銀河M32であった可能性が高いと考えられる。

doi: 10.1038/443762b

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進化:生き延びたネアンデルタール人

p.762

ある生物種が絶滅した時期を正確に突き止めることは、不可能に近い。1個の化石がその種の最後の個体であるとは、決して確定できないからだ。ヨーロッパにおけるネアンデルタール人の絶滅はこうした例の1つにあたるが、Finlaysonたちは、ジブラルタルの「ゴーラムの洞窟」(Gorham’s Cave)にあるネアンデルタール人の住居跡で、2万8000年前という新しい時代に、ネアンデルタール人がヨーロッパのこの最南端地点に居住していたことを示し、一歩突っ込んだ成果を上げた。ヨーロッパ南西部のほかの場所では、ネアンデルタール人はこの時代よりずっと以前に絶滅したとみられている。

doi: 10.1038/nature05207

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Review

Articles

進化:6遺伝子の系統分類で初期の菌類進化を再構築する

Reconstructing the early evolution of Fungi using a six-gene phylogeny p818

doi: 10.1038/nature05110

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細胞:小胞体/ 核膜リガーゼによる空間的に制御 されたユビキチンの付加

Spatially regulated ubiquitin ligation by an ER/ nuclear membrane ligase

doi: 10.1038/nature05170

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植物:Mg chelatase のH サブユニットはアブシ ジン酸受容体である

The Mg-chelatase H subunit is an abscisic acid receptor p.823

doi: 10.1038/nature05176

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Letters

海洋:最終退氷期における東部太平洋の寒冷化と 大西洋の鉛直循環

Eastern Pacific cooling and Atlantic overturning circulation during the last deglaciation

doi: 10.1038/nature05222

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生態:ハーコンモスビー泥火山の新規発見微生物 群集およびそのメタン貯蔵庫としての役割

Novel microbial communities of the Haakon Mosby mud volcano and their role as a methane sink

doi: 10.1038/nature05227

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宇宙:アンドロメダ銀河における中心がずれた2 つのリングの起源はほぼ真正面からの衝突 である

An almost head-on collision as the origin of two off-centre rings in the Andromeda galaxy

doi: 10.1038/nature05184

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生物情報学:抗菌ペプチドの合理的設計のための言語学的モデル

A linguistic model for the rational design of antimicrobial peptides

doi: 10.1038/nature05233

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化学:18 員環と10 員環をもつ分子ふるいのハイ スループット合成および触媒特性

High-throughput synthesis and catalytic properties of a molecular sieve with 18- and 10-member rings

doi: 10.1038/nature05238

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生化学:一本鎖DNA 分子上に形成されるRecA フィラ メントの直接観察

Direct observation of individual RecA filaments assembling on single DNA molecules

doi: 10.1038/nature05197

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進化:ヨーロッパ最南端におけるネアンデルタール人 の最後の生き残り

Late survival of Neanderthals at the southernmost extreme of Europe

doi: 10.1038/nature05195

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進化:マイナースプライソソームの初期進化の起源

An early evolutionary origin for the minor spliceosome

doi: 10.1038/nature05228

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量子情報科学:2 原子もつれの実験による純粋化

Experimental purification of two-atom entanglement

doi: 10.1038/nature05146

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細胞:ヒトインスリン分解酵素の構造から明らかになった新たな基質認識機構

Structures of human insulin-degrading enzyme reveal a new substrate recognition mechanism

doi: 10.1038/nature05143

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宇宙:月の南極に氷の厚い堆積が存在する証拠はない

No evidence for thick deposits of ice at the lunar south pole p.835

doi: 10.1038/nature05167

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保全:漁業は漁獲種の数度の変動性を上昇させる

Fishing elevates variability in the abundance of exploited species p.859

doi: 10.1038/nature05232

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