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AIDSウイルスエンベロープスパイクの分布と3次元構造

Nature 441, 7095 doi: 10.1038/nature04817

AIDSレトロウイルスのエンベロープ糖タンパク質(Env)からできたスパイクは宿主細胞への感染開始にかかわることから、ワクチン開発の標的となっている。Envサブユニットの部分的な結晶構造は知られているが、ウイルス粒子上のEnvスパイクの本来の構造と分布はわかっていない。我々は低温電子顕微鏡トモグラフィーを用いてスパイクの超微細構造の詳細を明らかにした。野生型ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)は1粒子当たり約14本、変異型サル免疫不全ウイルス(SIV)のウイルス粒子は約73本のスパイクをもっており、HIV-1ではスパイクのかたまりもみられた。3次元平均から、3量体であるSIVスパイクの各サブユニットの「頭」に当たる表面糖タンパク質(gp120)は、体積の大きな主要部分と、そこから突出した2個の従属的な部分からなることがわかった。各3量体の「柄」に当たる膜貫通糖タンパク質は、3量体の頭から斜めに突き出た、三脚に似た形の3本の独立した脚からなる。既知の原子構造とスパイク全体の3次元密度地図を照合することにより、Envスパイクの構造要素の配向と、スパイクの機能の構造基盤についての手がかりが得られる。

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