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spineless遺伝子の確率的な発現が網膜上に色覚のためのモザイクパターンを作り出す

Nature 440, 7081 doi: 10.1038/nature04615

ショウジョウバエの色覚は、各個眼に存在するR7、R8光受容細胞によって担われている。ショウジョウバエの網膜には2種類の個眼があって「pale」型と「yellow」型とよばれ、R7とR8細胞で発現されているロドプシン対の組み合わせによって型が決まる。ヒト錐体の光受容器と同様に、個眼のこのようなサブタイプは網膜に確率的に分布している。個眼がpale型になるかyellow型になるかの選択はR7細胞で行われ、選択された運命がR8細胞にも強制される。今回我々は、ショウジョウバエのダイオキシン受容体Spinelessが個眼モザイクの形成に必要であり、またそれだけで十分であることを明らかにした。R7細胞のかなりの部分が、蛹中期にロドプシンの発現に先立ってspinelessを短期間で急激かつ大規模に発現する。spineless変異体ではすべてのR7細胞と大多数のR8細胞がpale型に決まるが、yellow型のR7細胞を作り出すにはspinelessを過剰発現させるだけで十分である。このように今回の研究から、色覚に必要な網膜のモザイクパターンは、単一の転写因子Spinelessの確率的発現によって決まると考えられる。

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