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遺伝:Aspergillus nidulansのゲノム配列解読とA. fumigatusおよびA. oryzaeとの比較解析

Nature 438, 7071 doi: 10.1038/nature04341

コウジカビ属は2億年以上かけて進化してきた多彩な糸状菌群である。本論文では、モデル生物であるAspergillus nidulansのゲノム配列と、ヒトに対する病原性が強いAspergillus fumigatus、および日本酒や味噌、醤油の製造に利用されているAspergillus oryzaeとの比較研究について報告する。ゲノム構造の解析により、真核生物ゲノムの長年にわたる進化の推進力が定量評価された。また、交配型の遺伝子座の進化を実験的に確認したモデルも得られ、A. fumigatusおよびA. oryzaeに有性生殖の可能性が示唆された。配列の保存に関する解析では、5,000を超える非コード領域が3種にわたって能動的に保存されていることが明らかになった。その領域の中には、これまで知られていなかったTPPリボスイッチや、糸状菌でのPufファミリー遺伝子による制御を示唆するモチーフなどの、機能因子と思われるものが見いだされた。さらに、上流のオープンリーディングフレームによる転写調節の広汎さを示す証拠がゲノムの比較および実験から得られた。今回の結果により、よく研究されているこの菌類の解明がさらに進み、真核生物のゲノム進化および遺伝子調節に関して新たな知見が得られるだろう。

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