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遺伝:チンパンジーゲノムの最初の塩基配列解読とヒトゲノムとの比較

Nature 437, 7055 doi: 10.1038/nature04072

本論文では、チンパンジー(ナミチンパンジー、Pan troglodytes)のゲノム概要配列を提出する。我々はこの配列をヒトゲノム配列と比較することにより、ヒトとチンパンジーが共通祖先から分岐して以来蓄積されてきた遺伝的な違いをほぼ完全に網羅したカタログを作成した。カタログには約3500万個の単一ヌクレオチド変異、500万箇所の挿入/欠失とさまざまな染色体再編成が含まれており、このカタログを用いて、チンパンジーとヒトのゲノムをつくり出してきた変異誘発力の大きさや地域的変動と、それぞれの遺伝子に働いてきた正負の選択強度を調べた。特に、ヒトとチンパンジーのタンパク質をコードしている遺伝子の進化パターンには強い関連性があり、中立あるいは弱有害性対立遺伝子の固定が優位を占めていることがわかった。またこのチンパンジーゲノムをアウトグループとして用いて、ヒトの集団遺伝学的解析やヒトの最近の進化でみられる選択による配列の均一化(selective sweep)の特徴を明らかにした。

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