Article

生化学:酵母プリオンの構造に関する知見から、核形成と株の多様性が明らかになる

Nature 435, 7043 doi: 10.1038/nature03679

アミロイド形成性タンパク質のコンホメーション(立体配座)の自己永続的な変化は、正常な生物の営みにも病気にも重要な役割を果たしている。だが、研究が盛んに行われているにもかかわらず、アミロイドの構成とコンホメーションの変換はほとんど解明されていない。Sup35のアミロイド型配座異性体は、[PSI]として知られる酵母プリオンの本体となる分子で、タンパク質の折りたたみを自己永続的に変化させることによって、表現型に遺伝性の変化を引き起こす。今回我々は、協調的に折りたたまれたSup35のアミロイド核の性質を明らかにし、この知見によってプリオンの生物学的性質の主要な問題を詳しく調べた。アミロイド核では、特定のセグメントが分子間で接触して「頭部と頭部」、「尾部と尾部」が結合した形となるが、「中央コア」は分子内の接触によって他の分子とは隔離されている。頭部が最初に結合を作り出し、これが集合の核となる。アミロイド核の長さや分子間結合面の多様性が異なるプリオン「株」が生じる構造基盤であって、これによりin vivoでさまざまな表現型が生じる。これらの知見は、酵母プリオンの生物学的性質におけるいくつかの問題を解き明かすものであり、他のアミロイドにも大きなかかわりをもっている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度