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遺伝:社会性アメーバであるキイロタマホコリカビDictyostelium discoideumのゲノム

Nature 435, 7038 doi: 10.1038/nature03481

社会性アメーバは、単細胞形態と多細胞形態を交互にとる特殊な能力をもつ。本論文では、この社会性アメーバの中で最も研究の進んでいるキイロタマホコリカビ(Dictyostelium discoideum)のゲノムについて報告する。キイロタマホコリカビの染色体は遺伝子密度が高く、約12,500個の推定タンパク質をコードしており、その多くが長くて繰り返しの多いアミノ酸残基の連なりである。ポリケチド合成酵素およびABCトランスポーターをコードする遺伝子が多く含まれることから、低分子を産生および輸送する二次代謝が広く行われていると考えられる。またこのゲノムは、複雑な反復配列に富み、その一群はクラスターを形成しており、セントロメアの役割を果たしている可能性がある。さらに染色体外リボソームDNA(rDNA)エレメントの一部のコピーが各染色体の末端に認められ、未知のテロメア構造の存在、またrDNAと染色体末端の両方の維持に共通の機構が用いられていることが示唆される。プロテオームに基づく系統樹から、このアメーバが植物-動物の分岐後に動物-菌類系統から分岐したことがわかるが、Dictyosteliumは、植物、動物あるいは菌類と比較すると祖先ゲノムの多様性をより多く保持しているらしい。

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