Article

遺伝:イネいもち病菌Magnaporthe griseaのゲノム塩基配列

Nature 434, 7036 doi: 10.1038/nature03449

イネいもち病菌Magnaporthe griseaは、世界的に最も大きな被害を与えるイネ病原菌であり、菌類による植物の病気の分子的基盤を解明するための主要モデル生物である。本論文ではM. griseaのゲノム概要配列を報告する。遺伝子セットの解析からは、菌が病気を引き起こす際に必要な適応に関する手がかりが得られる。イネいもち病菌のゲノムは、多様性に富む多数の分泌タンパク質からなる集団をコードしており、この中には珍しい糖結合ドメインという特徴を持つものが含まれる。この菌はまた、Gタンパク質共役型受容体の大きなファミリー、これまで知られていなかった数種類の毒性関連遺伝子、ならびに二次代謝に関与する多数の酵素も持つ。このような遺伝子のうちの複数は、感染に関係した発生の初期段階で発現が促進されるが、これは菌の病原性における役割と一致している。M. griseaのゲノムは、活発な転位性遺伝因子群の侵入および増幅を受けてきている。これは、イネ栽培が広域にわたったことによって、本来同一の性質を持っていたこの菌がこうした遺伝因子を取り込まざるを得なかったことを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度