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物理:連続波ラマンシリコンレーザー

Nature 433, 7027 doi: 10.1038/nature03346

シリコンによる光利得、あるいは(また)レーザー発振の実現は、バルクのシリコンが間接型バンドギャップの半導体であり、そのため非常に低い発光効率しか持たないことから、シリコン系フォトニクスで最も努力を要する目標の一つになっている。最近、誘導ラマン散乱を利用したシリコンの光増幅とレーザー発振が実証された。しかし、2光子吸収(TPA)によって誘起される自由キャリヤー吸収(FCA)が原因となって非線形な光損失が起こるため、現在まで、レーザー発振はパルス動作に限定されていた。本研究では、連続波シリコンラマンレーザーを作製し、性能を実証した。具体的には、シリコンのTPAによって誘起されるFCAは、シリコン導波路中に埋込んだ逆バイアスp-i-nダイオードを導入して大きく低減できることを示した。レーザー共振器はシリコン導波路のファセットを多層誘電体薄膜で被覆して形成した。サイドモード抑圧比が55 dB以上、そして線幅は80 MHz以下の安定な単一モードレーザー出力を実証した。レーザー発振しきい値はp-i-n逆バイアス電圧に依存し、レーザー波長はポンプレーザー波長を変化させることによって調整できる。この連続波シリコンレーザーの実証はシリコン系オプトエレクトロニクスデバイスにとって大きな金字塔になる。

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