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医学:封入体の形成は変異ハンチンチン量とニューロン死のリスクを低減する

Nature 431, 7010 doi: 10.1038/nature02998

ハンチントン病は、ハンチンチンというタンパク質中のポリグルタミン領域の異常な伸長が原因で起こり、凝集したハンチンチンが作る顕微鏡で観察される封入体と、特定の種類のニューロン細胞死が特徴である。封入体が病原性をもつのか、それとも副次的なものなのか、あるいは有益な対処反応なのかは議論が分かれている。この問題を解決するために、対象細胞を一度試料台から取り除いた後でも、任意の時間間隔で正確に同じニューロンの観察を続けることができる自動顕微鏡を開発した。本論文では、細胞生存時間の解析により、ニューロン死は時間依存的に起こるものではなく、変異ハンチンチンの量とポリグルタミン領域の伸長程度に依存して決まることを明らかにする。多数のニューロンが封入体を形成することなく死ぬのである。封入体形成や細胞死が起こるかどうか、またそれらの起こる時期は、細胞内に拡散したハンチンチンの量によって予測される。意外にも、封入体の形成は生存期間の改善を予想させるもので、ニューロンの他の部分での変異ハンチンチン量減少につながる。つまり、封入体の形成は、毒性をもつ変異ハンチンチンに対処する応答として働くことがある。

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