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工学:磁気共鳴力顕微鏡による単一スピンの検出

Nature 430, 6997 doi: 10.1038/nature02658

磁気共鳴画像法(MRI)は表面下の構造を3次元の空間分解能で視覚化するための強力な技術としてよく知られている。しかし、従来の誘導検出技術の感度限界により、分解能を1 μmより下にすることは大きな困難となっている。現在、画像中の最小体積要素には少なくとも、MRI顕微鏡の場合1012個の核スピンが、電子スピン共鳴顕微鏡の場合107個の電子スピンが含まれている必要がある。磁気共鳴力顕微鏡(MRFM)は、検出感度を単一スピンレベルまで向上させ、それにより(例えばタンパク質などの)高分子を原子レベルの分解能で3次元画像化できるようにするための手段として提案された。また、MRFMは核スピンを使った量子コンピューターのキュービット読み出し装置としても提案されている。今回我々は、MRFMで単一の電子スピンを検出したので報告する。二酸化ケイ素中の不対スピンに対して1方向の次元に対し25 nmという空間分解能が得られた。測定された信号は、このスピンが有効磁場に平行または逆平行に向いているというモデルと一致し、回転座標系に対する緩和時間は760 msであった。緩和時間が長いことは、MRFMによる測定手順の一部をなす複雑な操作群を試料に施しても、1個のスピンの状態を長時間にわたって観測できることを示唆している。

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