Letter

免疫:マウスでSARSコロナウイルス中和と感染防御免疫を誘発するDNAワクチン

Nature 428, 6982 doi: 10.1038/nature02463

公衆衛生的処置により、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス(SARS-CoV)の同定と大流行のくい止めは成功したが、将来の再発生にはなお不安が残る。従って、このウイルスに対するワクチンの開発は、依然最重要問題である。本論文では、SARS-CoVのスパイク(S)糖タンパク質をコードするDNAワクチンがマウスモデルで、T細胞反応および中和抗体反応、また感染防御免疫も誘導することを示す。修飾をほどこしたS数種についてDNA免疫化を調べた。これらの発現ベクターは、CD4およびCD8細胞を介した強靱な免疫反応を誘発し、また相当高い抗体力価が誘導されることが酵素結合免疫吸着アッセイによってわかった。さらに、膜貫通ドメインを含むSをコードする発現ベクターでワクチン接種したマウスでの抗体反応では、中和抗体が誘導された。これらのSプラスミドDNA発現ベクターでワクチン接種したマウスの肺でのウイルス複製は6桁以上減少したが、この防御は液性免疫機構によって媒介されるものでT細胞依存性免疫機構によるものではなかった。SARS-CoVに対する遺伝子に基づくワクチンの接種は、動物モデルで感染防御免疫を生ずる効果的な免疫応答を惹起する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度